当事務所の報酬に対する基本的な考え方をご説明致します。
出来る限り顧問先様へもメリットを感じて頂けるよう、ご要望頂くサービス内容に合わせたリーズナブルな価格設定になるよう心掛けています。
1.毎年、顧問料を見直し
税理士の顧問料は、顧問契約を結んだときに決まった金額が変わらずに続くことが多いです。
たとえ売上高や利益が減少しても顧問料が同じということもよくあります。
「少しでも下げてほしいが、税理士に言いにくい」
「そもそも税理士の顧問料は変わらないもの」
とお客様も思っています。
当事務所は、税理士はサービス業と考えております。
お客様が求めているサービスを提供し、その提供するサービスに見合った顧問料をいただくことがサービス業の基本です。
しかし、お客様の求めるサービスは時間とともに変化していきます。
・創業当初は帳簿や会計処理などの経理関係の質問が多かったが、何年かするとそのような質問は減ってきた。
・会社規模を拡大しているときは従業員の雇用や設備投資の融資などで相談が多かったが、今は安定期に入ったため相談が減ってきた。
・記帳代行を行ってきたが、クラウド会計を導入することで経理業務の効率が上がった。
このように、お客様ごとに経営上の課題や経理状況は異なるのに、一度決めた顧問料が同じなのは不自然です。
当初決めた顧問料はそのときの状況に基づいて決めており、将来の状況変化を考慮することは難しいです。
そこで、当事務所では毎年の決算時に顧問料の見直しをすることで、本当に必要なサービスを提供できているか、サービスに見合った顧問料となっているかをお客様と一緒に確認し、来期からの顧問料を決定します。
単に売上高や利益だけでなく、業務量も含めて見直しを行います。
したがって、売上高や利益は同じでも、業務量が減っている場合は顧問料が下がります。
顧問料の見直しは、顧問料の適正化ともう一つ目的があります。
それは、「長くお付き合いをさせていただけるお客様を大切にしたい」ということです。
顧問料の見直しにより、画一的なサービス・顧問料から脱却し、お客様のニーズに沿ったサービス・顧問料をご提供させいただきます。
2.低価格で高品質なサービスの理由
当事務所の顧問料は“格安”ではありません。
極端に安くしてたくさんのお客様を獲得しても十分なサービスを提供できなくて、お客様にご迷惑をおかけすることになってしまいます。
・節税の提案が遅れて払う必要のない税金を払ってもらう
・銀行への試算表の提出が間に合わなくて融資が受けられず資金繰りに困った
など実際にある話です。
当事務所は提案型の税理士事務所です。
提案するためにはお客様とコミュニケーションを取り、「何に困っておられるのか」「どのようなことを求めておられるのか」を常に把握する必要があります。それをしないで勝手に提案しても「提案の押し売り」になってしまいます。
お客様が必要としている業務に自らの時間を投下することで高品質なサービスを維持しながら、低価格を実現しています。
低価格の理由は次の2点です。
(1)自計化やクラウド会計の導入
記帳代行をメインとしている税理士事務所は、会計ソフトへの入力や試算表を作ることに時間をかけています。
それらに時間がかかるため、お客様が業績を把握するのが1か月以上後になることも多いです。
当事務所では、クラウド会計を含む自計化を推進しており、記帳代行の場合でもクラウド会計の導入をご提案しております。
①自計化(パソコン会計)
お客様が自社のパソコンで日々の収入・支出取引を会計ソフトに入力する経理業務です。
自計化することにより、リアルタイムに業績を把握することができ、手間のかかった伝票や集計作業の合理化ができます。
②クラウド会計の導入
freee(フリー)やMFクラウド会計などのクラウド会計が注目されています。
クラウド会計を導入すると、ネットバンキング対応の銀行口座の入出金明細や、クレジットカード明細を自動で取得し、会計ソフトに取り込むことができるため入力の手間が削減できます。
クラウド会計のメリットは、市販の会計ソフトを購入して自計化するよりも、経理作業のスピードアップにより大幅に効率化でき、よりリアルタイムで経営内容が把握できることです。
このように会計ソフトの入力をお客様ご自身でしていただくので、入力料金がかかりません。
さらに会計入力にかかっていた時間を相談対応などの付加価値のあるサービスに充てることできます。
(2)訪問回数・サービス内容を適正化する
毎月訪問を掲げている税理士事務所がよくあります。
次のような会社は毎月訪問する意味があります。
・事業規模が大きい・拡大している
・社内の経理システムが確立していないので財務状況のチェックが必要
・経営アドバイスがほしい、相談が多い
・お客様にとって毎月税理士が訪問することで安心感がある
しかし、顧問料が割高で、お客様は時間を空けておくことになる毎月訪問が本当にすべてのお客様にする必要があるかは疑問に思います。
当事務所ではお客様の事業規模や経理状況などから2~4か月に1回などの訪問回数をご提案し、適正な顧問料を実現しています。
また、すべてのお客様に同じサービスを提供するというような画一的なサービスをしていません。過剰なサービス・無駄なサービスを排除するために毎年の顧問料見直しを行っています。
料金事例
当事務所にご依頼を頂いた顧問先様の事例をご紹介致します。
事業概要やご要望によってサービス内容と料金をご提案させていただきます。
税理士報酬の見極めポイント
税理士報酬は「毎月の顧問料がいくらなのか」で比較されることが多いですが、顧問料は低い金額でも、オプション料金が加算されたり、決算申告料・年末調整料などが高い場合もございます。顧問料に含まれるサービス・含まれないサービスを確認したうえで「1年間の報酬合計」をもとに比較してください。
1.「新規創業」で税理士をお探しの「個人事業者」「サービス業」A様
(1)事業概要
・年商(予想金額) 900万円
・従業員数 2名(ご主人と奥様)
・消費税申告 無
*消費税は、基本的には2年前の売上が1,000万円を超えたら納付する必要があります。
新規創業される場合は、2年前に売上がありませんので、創業してから2年間は消費税の納付はありません。
(場合によっては消費税を納付しない期間が1年間になることもありますので、ご相談ください)
(2)ご要望
・経理経験はないが、自分で帳簿を付けたいので教えてほしい
・簡単なことから節税・融資相談まで話しやすくレスポンスの良い税理士をご希望
・創業当初は税理士報酬を安くしたいが、分からないことが多いので訪問してほしい
当事務所のご提案
年間料金合計 296,000円
(内訳) ・月額料金 顧問料18,000円×12月=216,000円 ・決算申告料 60,000円 ・年末調整料金 20,000円 ※料金はすべて税抜きの金額です。 |
記帳方法 自計化
奥様が経理をされるとのことですので、会計ソフトを使う自計化をお勧めしました。
入力方法から領収書の整理までサポートさせていただきました。
訪問回数 3か月に1回
頻繁に質問したいので訪問回数を多くご希望でしたが、質問自体はいつでも電話やメールで受け付けておりますのでお気軽にご質問くださいとお伝えしました。
そして、税理士報酬を抑えるため、訪問回数を3か月に1回をご提案しました。
節税対策
経費が少なく利益が出やすい業種ですので、次の対策を提案しました。
これらにより、白色申告よりも約30万円の節税効果が出ました。
①奥様への専従者給与
月額15万円に設定しました。(仕事内容から税務署に説明できる金額を算出しました)
②青色申告の65万円控除を適用
お客様の声
質問の電話やメールに対して、当日中(遅くても翌営業日)に答えてくれる。
会計ソフトの入力も思っていたよりも簡単で、分からないことをすぐに教えてもらえるので安心して本業に専念できる。
2.「法人成り」で税理士をお探しの「個人事業者」「建設業」B様
(1)事業概要
・年商 4,000万円
・従業員数 3名
・消費税申告 有(原則課税)
(2)ご要望
・このまま個人事業を続けた方が良いか、または法人化した方が良いか、メリット・デメリットを教えてほしい
・経理は丸投げでやってほしい
・年々、借入が増えているので返済が負担になってきているが大丈夫か?
当事務所のご提案
年間料金合計 620,000円
(内訳) ・月額料金 顧問料30,000円×12月=360,000円 ・記帳代行料金 5,000円×12月=60,000円 ・決算申告料 150,000円 ・消費税申告料 30,000円 ・年末調整料金 20,000円 ※料金はすべて税抜きの金額です。 |
法人成りをご提案
毎年数十万円の節税に加えて、法人にした当初2年間は消費税が免税になることなど税金面でのメリットは大きいが、法人にすると社会保険の強制加入により負担が増えるデメリットをお伝えしました。
社会保険は採用を考えると従業員にとってはメリットなので、今後の事業拡大を見込んで法人化を決意されました。
社会保険料を削減するため給与計算の見直しを提携している社会保険労務士と一緒にお手伝いしました。
記帳方法:記帳代行(クラウド会計)
経理は苦手で全部任せたいとのご希望ですので、記帳代行をお勧めしました。
銀行口座の入出金明細や、クレジットカード明細を自動で取り込むので、入力の手間が削減できます。手間が削減できた分は記帳料を値下げしました。
訪問回数:2か月に1回
毎年、売上が増加するとともに借入も増加しているので、すぐに銀行に試算表を出せるように2か月に1回の訪問をご提案しました。
融資サポート
複数の銀行から借入をされていたので、一部の借入金について借換えをご提案しました。
その結果、毎月の返済額と金利が下がるようになり、資金繰りが楽になったと喜んでいただきました。
(融資サポートは顧問料に含まれていますので、別途料金をいただくことはありません)
お客様の声
今まで法人成りのメリット・デメリットが分からず迷っていたが、メリットだけでなくデメリットも教えてもらえて決断ができた。
決算の3か月前に利益や税金の予測をしてもらえるので助かります。
3.「税理士変更」で税理士をお探しの「法人」「不動産業」C様
(1)事業概要
・年商 3億円
・従業員数 10名
・消費税申告 有(原則課税)
(2)ご要望
・今の税理士事務所は年間100万円と料金が高いのに、節税などの提案をしてくれない
・経理はエクセルで帳面を付け、領収書なども整理しているので、このまま続けたい
・不動産売買をメインとしているが、どの物件でいくら利益が出ているか分からない
当事務所のご提案
年間料金合計 860,000円
(内訳) ・月額料金 顧問料45,000円×12月=540,000円 ・記帳代行料金 25円×200仕訳×12月=60,000円 ・決算申告料 200,000円 ・消費税申告料 30,000円 ・年末調整料金 30,000円 ※料金はすべて税抜きの金額です。 |
記帳方法:記帳代行
自社でエクセルを使って出納帳を付けておられ、会計資料の整理もされているので、記帳代行料は1仕訳25円と低い料金となりました。
(記帳代行料の業界相場は1仕訳100円です)
当事務所ではエクセルをデータでいただき、会計ソフトに取り込みます。
これにより従来では会計ソフトに入力していた時間を短縮でき業務が効率化するため、低い料金設定となっております。
訪問回数:毎月
毎月のように土地や中古物件を仕入れて、建物を建てて売る、中古建物をリフォームして売ると数多く物件を扱っておられるのに、物件ごとの利益を把握されていないとのことですので、毎月訪問し物件ごとの利益を管理できるようにご指導いたしました。
顧問料
不動産売買業は物件の仕入れが高額になりやすいので、売上高が多くても利益はそれほど多くない業種です。
そこで、売上高基準(月額70,000円)ではなく「粗利益」基準(月額45,000円)をもとに顧問料を決定しました。
節税対策
①役員報酬
事業計画を作成し、役員報酬を最適な金額にしました。
②紹介料
顧客や物件の紹介を受けたときに払う紹介料などを社長個人が負担していたため、契約書を作成し会社の経費となるようにしました。
お客様の声
不動産売買業のため常に物件を仕入れる資金を用意することに苦労してきましたので、あまり役員報酬を高くすることに抵抗がありました。
しかし、今回、役員報酬の節税効果を教えてもらい、事業計画を作ることで高い役員報酬を取ってもある程度の利益が残ることが分かりました。
また、物件ごとの利益が分かるようになり、従業員にコストを意識させることができました。
物件を多く売ることから、どうすれば1件あたりの利益が出るかを考えるようになりました。