当事務所では「税理士」「顧客」「税務署」の3つの目で見ながら、会社を経営するために最も重要な「お金」に関する3つの経営サポートをおこなっていきます。
起業されたばかりの方、社員が数名の規模の会社の社長様、個人事業主の方、それぞれ経営のためのお金を有効にまわしたいとお考えだと思います。
当事務所は、そういった経営者の方が経営のために必要な「お金が残る(経営)」「お金を借りる(融資)」「お金を残す(節税)」3つのサポートに力を入れています。
お金が「残る」経営サポート
代表税理士は創業の準備段階のお客様や、創業後すぐのお客様を中心にサポートしており多くの実績があります。
いざ事業を始めると思っていたようにいかないこともあります。そうならないために、当事務所では次の2点を重要視しています。
(1)事業計画という「作戦」を立てる
「事業をスタートするときに事業計画を立てましょう」とよく言われます。
しかし、「まだ始めてもいない事業の計画をすることに意味があるのか」とも言われます。
どちらの意見もある意味正しく思えますが、実際のところどうなのでしょうか。
売上予測は難しい?
計画を作り出して、最初につまずくのが「売上予測・売上計画」です。
大体のイメージはあっても売上を金額で表すのは難しいものです。
「自分の事業は世の中からニーズもあるし、やっていく自信もあるが、正直なところやってみないと分からない・・・だからそんな状況で計画を作っても意味がない」
一見正論に聞こえますが、見切り発車でスタートすると当たるか外れるかの「博打」になってしまいます。
計画通りにいかないから意味がない?
「スタート時の利益は少なくても何か月後か何年後には軌道に乗っていく計画を作ってもどうせ計画通りにいかない・・・だから計画を作っても意味がない」
こちらも正論に聞こえますが、むしろ計画通りにいかないことが当たり前です。
「なぜ計画通りにいかなかったのか」を考えることが重要
例えば、思うように得意先が増えないので売上が達成できなかったとします。
増えなかった原因は何でしょうか。計画のどこにズレがあったのか、そもそも見当違いだったのかを考えます。
その原因を踏まえて、どうすれば得意先を増やすことができるのかを見直します。営業をする、紹介してもらう、ネットで集客する、広告宣伝するなど様々な方法がありますが、今回の原因からどの方法が良いかを考えます。
そして、また事業計画を作りその検証をしていくことを繰り返します。
税理士と作戦を共有
当事務所ではお客様と一緒に計画を作ります。
どうような前提があるのか、どのような根拠があるのか、どのように攻めるのか、いわば作戦を立てていると考えています。
その作戦を実行していき、決算時に確認します。
ご自身で計画を作って検証することは難しくても、税理士と一緒にすることでより精度が高いものになります。
経営の「モノサシ」
事業計画を作り検証することを繰り返していくことで、事業計画が「モノサシ」になります。
この売上高なら利益はこのくらい出る、あと売上高が○○円増えたらもう一人雇えるなど経営の目安になります。
行き当たりばったりで事業をするのではなく、目標を決めてその目標から今どこまで来たかが分かるために事業計画を作ると当事務所では考えています。
(2)お金が回る経営を意識する
お金が回らなくなると頭の中が資金繰りの不安でいっぱいになります。
「月末の支払いにいくら足りない」ということを毎月考えてばかりいると本業に専念できません。
逆にお金が回る経営ができていると、新しい事業・今後の展開を考えることや不測の事態が発生しても素早い対応ができます。
このように経営者にとってお金が回る経営を意識することは非常に重要です。
それではお金が回るというのは一体どういったことなのかご説明します。
売上が増えるとお金が回らなくなる
起業すると何よりも「売上を増やすこと」を考えます。
売上が増えると仕入も増え、在庫も増えていきます。
さらに、忙しくなり人手が足りなくなり、従業員を増やします。
するとなぜか毎月の仕入代金や人件費の支払いが厳しくなってきます。
利益とお金はイコールにならない?
「売上は増えているので利益が出ているはずなのに、お金が残っていない・・・」これは起業家だけでなく、多くの経営者が思っていることです。
「売上-原価-経費=利益」これが利益の計算です。ポイントは売上代金が回収さえたかどうかは関係なく売上があった時点で「売上」となります。
原価や経費も同様に支払ったどうかは関係ありません。
- 売上代金は2か月後に入金される
- 仕入代金は1か月後に支払う
- 人件費は毎月支払う
というように支払いが先行し入金とのタイミングがずれることで、お金が不足します。
売上代金の回収を忘れていたり、回収が遅れたりするとさらにお金が足りなくなります。
このように、「お金が残ること」と「利益が出ていること」とはイコールになりません。
経営者の仕事は「お金が回るようにすること」
経営者は営業してドンドン得意先を増やすことが仕事だと思われがちです。
これも経営者の仕事の一つです。
しかし、一番重要な仕事はお金が回るようにすることです。
早く入金してもらうように交渉できれば良いのですが、通常は立場上難しいと思います。
しかし、あまりにも入金まで長期間かかる取引は見直すことも検討すべきですし、新規に取引する際に利益ばかり気にしないでいつ入金されるかも確認するようにしましょう。
現実的な解決策として不足する分を銀行借入することで資金繰りに対応することが多いです。
当事務所では利益が出ているだけでなく、お金が回る経営にも対応したサポートをしております。
お金を「借りる」融資サポート
「銀行が苦手」「できれば銀行からお金を借りないようにしたい、でも本当に困ったときは貸してほしい・・・」意外とこのように考える経営者が多いです。
銀行は敵か味方か?
融資の申し込むと銀行にたくさん書類を提出して、いろいろなことを聞かれます。
経営者からすると「変なことを言ったらマイナスになる、分からないことを聞かれたらどうしよう・・・」などの不安や心配から「銀行が苦手」になると思います。
しかし、銀行が知りたいのは簡単に言うと次のことです。
- 何に使うのか
- いくら借入するのか
- いつ必要か
- どうやって返すのか
貸す側からすると貸したお金を返してもらうことは当然ですので、そのことが分かっていれば少しは気が楽になるかと思います。
銀行はビジネスパートナー
事業をすると様々な取引先と付き合います。怪しい取引先とは付き合わないようにしていると思います。
銀行に書類を提出すること、質問に答えることは「情報提供をしている」ことになります。
良好な関係を築くためには自分のことを知ってもらう必要があります。
そして、銀行を敵でも味方でもなく取引先の一つと考え、事業を行っていくうえで必要なビジネスパートナーと捉えましょう。
銀行とコミュニケーションを取る
例えば、普段は全然連絡を取っていない知人から、突然、「お金を貸してほしい」と言われても、「分かった、貸そう」とはならないでしょう。
「むしろこんな時だけ連絡してきて迷惑だ」と思うかもしれません。
銀行も同じです。
日頃からコミュニケーションを取ってないとどういう状況なのかが分かりません。
決算書を見せてくださいと言われても事業が順調なときは相手にせず、資金繰りに困ったときだけ連絡することはビジネスパートナーとは言えないでしょう。
だんだん業績が悪くなって万策尽きてから「月末の支払いができないので、すぐに借入したい」と言うより、業績が悪くなり出したときに隠さずに銀行に相談すれば対応してもらえます。
税理士は銀行とのパイプ役
銀行はビジネスパートナーと言っても最初は近寄りがたい存在かと思います。
当事務所では、日頃から銀行とコミュニケーションを取ることで、最近の融資や金利の状況を把握し情報やノウハウを持っています。
その情報やノウハウをもとにお客様の融資対応を行い、積極的にアドバイスをしています。
お金を「残す」節税サポート
「税金を少しでも減らして得をしたい。そのために節税しないと・・・」
誰でも損をしたくないと思っています。その思いは税金となるとなおさら強くなりがちです。
しかし、節税のやり方を間違えるとお金が残るどころか、逆にお金が足らなくなりかねません。
節税は「目的」ではなく「手段」です。
手元にお金を残すための手段として節税を行い、その結果、会社が大きくなっていくことに繋がります。
(1)節税にも古い新しいがある
経営者によって節税は強い関心事です。
関心事だからこそ世の中には節税の情報が溢れています。
一番手軽な方法としてインターネットで検索すると節税の情報が多くあがっています。
情報が古かったり、間違っているものもあります。
毎年の税制改正により現在では使えなくなっている節税対策が残っていることもあります。
たくさんある中からどの節税を選べば良いか、メリット・デメリットをご自身で判断するのは難しいです。
他社でうまくいった節税が自社でもうまくいくとは限りません。
当事務所では会社の規模、業種、社長のご年齢、今後の事業展開などにより本当に必要な節税をご提案いたします。
(2)本当に節税するとお金が残るのか?
節税すると払う税金が減るので手元にお金が残ると思われていますが、必ずしもそうではありません。
利益が1,000万円出た場合でご説明いたします。
■何も節税しない…税金は400万円
■経費を1,000万円使って利益を0円にする…税金は0円
当然、税金が0円になった方が経営者は喜びます。
しかし、手元に残ったお金を比べると
■何も節税しない…利益1,000万円-税金400万円=600万円残る
■経費を1,000万円使う…利益1,000万円-経費1,000万円=0円(お金が残らない)
税金を払った方が手元にお金が残る結果となりました。
今後、事業を行う上でどちらが良いかは明らかです。
実際はこれほど単純ではないですが、節税ありきになっていることがあります。
それでは節税なんてしない方が良いと思われるかもしれませんが、そうではありません。
節税には大きく分けて2種類あり、優先順位があります。
①お金が出ていかない節税
例:役員報酬の見直し、旅費規程を作り出張手当を出す、
特別償却・税額控除を利用するなど
②お金が出ていく節税
こちらはお金を使って様々な経費を作ります。
節税をする際には、まず「①のお金が出ていかない節税」をして、それでもさらに節税が必要なら「②のお金が出ていく節税」をするべきです。
しかし、①の節税をあまり検討せずに、安易に②の節税を行っていることがよくあります。
一番の大きな原因は税理士と経営者とのコミュニケーション不足です。
コミュニケーションを取ることでお客様が今何を考えているか、何に困っているかがわかります。節税はその一部にすぎません。
例えば、役員報酬は事業年度がスタートしたとき(期首から3か月以内)にしか変更することができません。
1年間の事業計画を立てないと最適な役員報酬を決めることはできません。
お客様の今後の目標がわかっていなければ事業計画を作ることは難しいです。
売上はどうなるか、従業員を増やすのか、いつ機械を購入するなど普段からコミュニケーションが取れていればわかることも見過ごしてしまいます。
その結果、役員報酬を高くしすぎて会社は大赤字で、個人の税金や社会保険料を多く払うことになってしまいます。
(3)究極の節税は「経費」を入れること
経費として計上するかは経営者が決めますが、どこまで経費になるかは迷うことと思います。
税理士に聞けばわかると思われるでしょうが、実は税理士によっても経費にするかどうかの判断が異なります。
つまり、ある税理士は経費にならないと言っても、別の税理士に聞けば経費になると言うことがあります。
判断基準は「事業に関係するか、売上に貢献するか」です。これは事業を行っている本人でないとわからないはずが、税理士に会計処理を丸投げしている場合などは税理士が経費にするかどうかを決めていることが多いです。
決して税理士に任せることが悪いわけではなく、その税理士から「この領収書は何に使ったのですか」という質問がない場合は要注意です。
この理由は次の2点が考えられます。
1.経営者に確認せずに早く処理することを優先させるため
2.税務調査があったときに調査官から指摘されることを嫌がるため
当たり前ですが、経費を使うと「お金が出ていきます」。
経費になっていないとその分利益が増え、増えた分だけ税金も増えます。
つまり、お金が出ていき、かつ、税金を余計に払うことになってしまいます。
では、経費に入れるためにはどうしたらいいでしょうか。
一番良いのが「証拠」を残すことです。
例えば、あまりにも飲食代や贈答品の領収書の量が多いと怪しく思えます。
「A社の○○さんと○○の打ち合わせをするために食事した」「B社の○○さんに○○のお祝いで○○を贈答した」と領収書の裏にメモ書きしておけば証拠になります。
こうすれば税務調査対策にもなります。
このように当事務所は、「税理士の目」「お客様の目」「税務署の目」の3つの目で見るようにしています。
節税対策も同じです。
本当にお客様にとって意味がある節税対策をご提案しております。