創業・起業される方へ【個人事業と法人のどちらでスタートするか】

[記事公開日]2017/07/04
[最終更新日]2017/08/01

夢を実現させるためサラリーマンを辞めて独立開業する場合、希望や期待が大きいですが、様々な不安もあると思います

サラリーマン時代は毎月給料が振り込まれていましたが、今後は自分で売上を確保しないといけなくなります。
当初からある程度の売上を見込んでいる方でも、その先はどうなるかわからないものです。
それでも起業したいという「強い思い」をお持ちの方を全力でサポートさせていただきます。

・「どのタイミングで起業するのがいいのか」
・「毎月、いくらの売上があればやっていけるか」
・「自分のビジネスプランが事業として成り立つのか」
・「起業するまでにいくら自己資金を準備すればいいのか」
・「自分は創業融資を受けることができるのか」
・「個人事業または会社設立のどちらでスタートしたらよいか」

このような不安や疑問点はございませんか。
起業するといっても、「近い将来に起業したい方」、「すぐにでも起業したい方」、「最近、起業した方」など様々です。
当事務所では起業の計画中、準備段階、起業後などどのようなタイミングからでもお手伝いさせていただきますので、何でもご相談ください。

 

新規参入組が有利な点

インターネットの普及により誰でも簡単に情報を集められる時代になりました。
多くの人はモノやサービスを購入するときに事前にインターネットで内容や価格を調べてから購入するようになりました。
これにより、さらに世の中の景気も重なり、価格競争が始まりました。

しかし私はこのような状況で独立開業することは不利ではなく、むしろ大きなチャンスと捉えています。
大きな変化が起こるときは、新規参入組が有利です。どの業種でもすでに競合他社がシェアを占めていてビジネスモデルを構築していますが、新しいことに対応することは難しいです。逆に新規参入組は新しい変化を分析し取り入れて創業・起業することができます。

逆転の発想ではないですが、大手ではなく小規模だからこそできることがあるはずです。
当事務所では面談の中でいろいろなお話をお聞きします。ご自身では気付いていなくても話をしているうちに気付くこともあります。
その気付いたことがご自身の「強み」であれば、そこから戦略を考えることができます。

 

事業のスタートは、個人事業または法人のどちらが良いのか

個人事業と法人とのどちらでスタートするのが良いか迷うところです。
事業を行う形態として3つあり、それぞれの一般的な判断材料は下記になります。

①法人でスタートする

 ・最初から売上が見込める
 ・最初から従業員を雇用したい
 ・得意先や仕入先が法人でないと取引してくれない

 

②個人事業でスタートする

 ・最初はあまり売上がない
 ・徐々に事業を拡大していく
 ・自分一人や家族で事業を行う

 

③個人事業でスタートし、途中で法人に変える(法人成り)

 ・最初から売上は見込めるが、いつまで続くか読めない
 ・事業の規模が大きくなってから法人化を考えたい

 

まずは両者の大きな違いを見ていきましょう

  個人事業 法人
開業手続き ・税務署に開業届を提出するだけ
・すぐに始めることができる
・法務局で設立登記が必要
・税務署、京都府、市区町村に設立届を提出
設立費用 0円 20~30万円かかる
事業の廃止 ・税務署に廃業届を提出するだけ
・いつでもやめることができる
法務局で清算登記が必要
税金の負担 利益が多ければ多いほど不利 利益が多ければ多いほど有利
会計・申告 やろうと思えば自分でできる 申告書が複雑なので自分では難しい
社会的信用 ・法人よりは低い
・得意先によっては法人でないと取引できないことがある
個人事業と比較すると高い
人材採用 法人と比較するとしにくい 個人事業と比較するとしやすい
事業承継 しにくい しやすい
社会保険 原則、加入義務なし 加入義務あり

 

様々な違いがありますね。個人事業の方が始めやすそう、法人は設立するのに費用がかかるなという印象でしょうか。
税金の負担として「法人は利益が多ければ多いほど有利」ではわかりにくいと思いますので、詳しく見ていきましょう。

 

税金面での違い

  個人事業 法人
経営者への給与 経費にならない(そもそも支給できない) 経費になる
家族への給与 ・事前に届出書を提出しないと経費にならない
・届出書に記載した範囲でないとダメ
経費になる(届出書は不要)
経営者への退職金 経費にならない(そもそも支給できない) 経費になる
家族への退職金 支給しても経費にならない 経費になる
生命保険 経費にならない(個人の所得控除にはなるが、節税効果は低い) 経費になる(内容により全額経費や半額経費などある)
損失の繰越 青色申告は3年間繰越可 青色申告は9年間繰越可
経営者の社宅家賃 経費にならない 法人で契約することで節税できる
経営者の出張手当 支給しても経費にならない 旅費規程により日当を経費にできる
税率 ・所得税:5~45%(超過累進税率)
・住民税:10%
・事業税:5%(一部3・4%)
・最高税率合計:60%
*平成28年度の税率
法人税等(所得により2段階)
・所得が年800万円以下:約23%
・所得が年800万円超:約34%
*平成28年度で資本金1億円以下の税率
均等割(地方税) 赤字の場合は税金出ない 赤字でも年間約7万円の税金が必ずかかる

 

以上のように、特に経費の取り扱いについて違いがあることがわかると思います。
法人の方が経費になるものが多いですね。

 

さらに、次の理由から「利益が多ければ多いほど法人が有利」となります。

・所得を分散できることや給与所得控除が使えるなどの節税要素が多くあること
・個人事業は所得が高くなると税率も高くなる(最高税率は個人事業の方が高い)

 

しかし、法人にもデメリットはあります。

・設立にコストがかかること
・赤字でも均等割がかかること
・社会保険が強制加入であることなどです。
(社会保険は人材採用には有利ですので完全にデメリットとも言い切れません)

 

一般的には上記のとおりですが、結局「自分にとってはどちらが良いか」だと思います。
当事務所ではお客様の状況をお聞きして具体的な数字でどちらが良いかの判断ができるようにサポートいたします。

 

会社設立について

 個人事業と法人の違いを確認した結果、法人を選択する場合、
次に何をしたらいいのでしょうか。
 
会社設立するには事前に決めなといけないことがあります。
会社の資本金以外にも設立するために登記費用がかかります。
次は、会社設立をする場合の設立手続きや設立費用について詳しくご紹介いたします。